果実類はデザート食品として扱われ、生鮮な状態で生食または調理加工される樹木および草本植物に結実する実の総称で、仁果類、準仁果類、漿果類、核果類、熱帯果実類の5つに分類され、それぞれ食用とする部位が異なる食品の分類である。(1)リンゴ:仁果類①分類・種類 日本ではつがる、ジョナゴールド、ふじ、紅玉など数品種が生産され果実の外観や色に差異がある。②成分 品種によって多少異なるが、水分は約85%、炭水化物は約15%含まれ、炭水化物の大部分はフルクトース47%、グルコース30%、スクロース20%などの糖分である。また、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸が0.2~0.8%、ペクチンが1.0~1.5%含まれる。③利用法 生食、果実飲料,ジャム,リンゴ酢などの加工食品に利用される。(2)モモ:核果類①分類・種類 果肉の色により白色系・黄色系に分類される。一般に白色系は生食用・黄色系は加工用である。また果皮に毛のないネクタリンという品種も栽培されている。②成分 水分は約88%含まれ、糖分はおよそ8%であり、各割合はスクロース6~7%、フルクトース1%、グルコース1%である。また含まれる有機酸は,主にクエン酸とリンゴ酸である。③利用法 生食用もしくは缶詰・ジャムなどの加工用に利用される。(3)バナナ:熱帯果実類①分類・種類 生食用バナナと調理用バナナに大別される。②成分 未熟果では20~30%のデンプンが含まれるのに対し、完熟果ではデンプンが糖化されるため1~2%まで減少する。完熟果中の糖分は約20%で、スクロース約13%、グルコース約4%、フルクトース約3%からなる。またポリフェノール化合物が多く含まれ、未熟果の渋みの要因となるが完熟すると不溶性となるため渋みがなくなる。③利用法 生食用、乾燥品、果実酒など幅広く利用されている。(4)オレンジ:準仁果類 ミカン科に属する準仁果類で世界で最も生産量が多いかんきつ類である。①分類・種類 普通オレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジ(果肉が赤く着色している)、無酸オレンジに大別される。②成分 水分が86.8~88.7%、糖分7~11%のうちスクロースが50%、フルクトースとグルコースが等量含まれている。有機酸は0.7~1.2%でクエン酸が最も多く、次にリンゴ酸が多い。③利用法生食用および果実飲料に利用される。(5)ウメ:核果類 バラ科に属する核果類。①分類・種類 小ウメ、中ウメ、大ウメに大別され、実用の品種は約50種ある。②成分 水分が90.4%、有機酸を5~6%を含む。主な有機酸はクエン酸である。ウメ種子には配糖体であるアミダグリンが含まれており、酵素的にベンズアルデヒドと青酸を生成する。梅干や梅酒の特有の香気はベンズアルデヒドによる。③利用法梅干、梅漬け、果実酒、乾果、果実飲料、ジャムなどに広く利用される。(18)キウイフルーツ:熱帯果実類①分類・種類 原産地は中国であるが、ニュージランドで広く栽培され、果実が国鳥であるキウイに似ていることからキウイフルーツと名づけられ一般化した。②成分 糖分を7~9%含む。グルコース(38%)とフルクトース(39%)が大部分であり、ついでスクロース(10%)を含む。有機酸は追熟すると0.8%前後となり可食に適するようになる。また、果肉にはタンパク質分解酵素であるアクチニジンが含まれる。③利用法生食用、シロップ漬け、ジャム、乾果などにはば広く利用される。